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グループ内外を対象として、会社分割と統合が同時に進められているケースが多いことがわかる。
図215は、レコフ社が調べた会社分割の利用目的の内訳を示している。
グループ内の分杜化・事業再編成を目的とするケースが多いが、グループ外企業との再編や持株会社化のステップとして分割がおこなわれるケースも多いことがわかる。
大企業の事業再編の手段として、純粋持株会杜を利用するケースが増えている。
1999年に日本電信電話(N)が持株会社と3つの通信会社に分割されて以来、持株会社構造に移行する日本の事業会社が増えている。
Nやサッポロビールのように、一企業が持株会社構造に移行し、分割・再編成するケースもあるが、複数の企業が経営統合する際に共同持株会社を設立するケースが相次いでいる。
後者の代表的な例として日本航空システム、」FEホールデイングス、日本ユニパックホールデイング、ニチメン・日商岩井ホールデイングスなどがあげられる。
表2ト5は、2002年10月末時点の上場持株会社のリストである。
その数は30杜に達し、幅広い業種にわたっていることがわかる。
純粋持株会社を使って会社分割と統合を進めている典型が、みずほグループである。
みずほグループは第1弾として「みずほホールデインク、、ス」の名のもとに、旧第一勧業銀行、旧富士銀行、旧日本興業銀行を事業分野ごとに分割、統合した。
その結果、同グループは図216の再編前に示されるような形を取っていた。
同グループは不良債権の本格的な処理を推進するために、2003年3月に金融持株会社「みずほフイナンシャルグループ」を設立して上場し、グループの事業を傘下に収め、同図の再編成後に示される組織に衣替えした。
みずほホールデイングスは上場廃止になり、銀行、不良債権管理会社、証券会社の監督に特化することになった。
純粋持株会社はグループ全体を対象とする大規模な再編成を、比較的短時間で実施するためには、非常に便利な方式である。
したがって、今後これを利用する企業はさらに増加すると思われる。
しかしアメリカでは、その利用が銀行や金融サーピス業等に限られていることからも類推されるように、とりわけ株主価値経営を推進する上では、次のようなデメリットも持っている。
この点を十分考慮した利用が望まれよう。
(1)純粋持株会社は経営機能や経営資源配分機能を持たない。
このため、価値創造最大化のためにグループ全体の持つ資源の最適配分がおこなわれなくなる可能性がある。
(2)上場純粋持株会社の場合、外部投資家にとっては各事業子会社の経営実態がみえにくくなり、株価評価が難しくなる。
(3)傘下の各事業子会社の独立性が強まり、グループ全体のシナジーや戦略上の協力体制が取りにくくなる。
固子会社・グループ戦略と財務政策従来、わが国企業は優良子会社株の部分公開をグループ経営の柱にしてきた。
しかし最近では、企業をキャッシュフローや将来の展開力の有無などで評価する傾向が高まり、親会社が公開会社の株式を買い戻すなどの動きも出てきた。
今後は子会社の成長性や親会社にとっての戦略的な重要性に応じて、きめ細かい子会社政策が必要になる。
4、1子会社公開のメリット、デメリット。
最近、子会社の公開問題か議論を呼んでいる。
子会社株式の部分公開は、子会社株の所有構造の本格的な変更をもたらすという点で、財務リストラの1つの形態である。
はじめに、公開会社による子会社株式の部分公開に対する伝統的な考え方と、日本におけるこれまでの利用状況を簡単に紹介しておこう。
日本で典型的にみられる子会社株式の部分公開は、アメリカではPP0(Pa「tiaPubicOffe「ing)ないしはエクイティ・カーブアウトと呼ばれて、最近はやりの「トラッキング・ストック」の発行とは区別される。
表216はFEVA創造の経営』の著者としてわが国でも有名になったベネット・スチュワートが、子会社部分公開のメリット、デメリットを対比したものである。
アメリカにおけるこの問題に対する伝統的な考え方を代表するものと考えていいだろう。
この中でスチュワートは、子会社の部分公聞は親会社の株主にとってメリットもあるものの、デメリットのほうが大きいと結論づけている。
実際に彼は様々な財務的リストラクチャリング手法の中で、子会社公開は最も誤用ないし悪用されてきたものだと述べている。
現実にアメリカでは、子会社の部分公開は限界的な企業による利用にとどまり、優良大企業の間では子会社は100%所有するというのが大原則になってきた。
他方、わが国ではスチュワートのあげるメリットのほうを重視し、デメリットを無視する形で優良子会社の部分公聞が幅広くおこなわれてきた。
古河電気工業一富士電機一富士通ーフアナックと、親・子・孫・ひ孫会社にわたって公開してきた例もあり、また日立製作所やM電器産業のように公開子会社を1020杜も擁するところもみられる。
わが国では子会社の部分公聞がグループ経営の中心的手段として用いられてきたといっても、過言ではないだろう。
4、2電気機器、化学などの業種で突出。
表217の左側は、N新聞社のデータベースサービスNEEDSDataCIPによって、1998年末の上場会社による公開子会社数を業種別にみたものである。
ここに示されるように、子会社公開はほとんどの業種に及んでおり、また電気機器、化学工業などの業種でその利用が抜きんでていることがわかる。
また同表の右側は、電気機器分野について企業別に公開子会社数をみたものである。
目立製作所、M電器、東芝による利用が突出している。
1999年以降も、折からの株式ブーム、公開ブームのもとで、多数の企業が子会社株式の部分公開をおこなった。
ソフトパンクのように、傘下の全企業を部分公開していく方針を公式に表明したところもある。
4、3日本型公開子会社を評価する3つの視点。
日本型の公開子会社を投資対象として評価するときの基準として3つの視点が考えられる。
1つは、通常、公開子会社は親会社が経営支配権を維持するに足るだけの株式を保有し続けるから、適正に連結決算されれば子会社の業績も親会社の業績の一環として報告される、という考え方である。
したがって、優良な成長子会社を公開しでも、親会社の投資家は連結決算を通じてそのフィードパックをフルに享受できるというわけである。
この考え方に立てば、優良子会社を公開することは、親会社の投資家になんら損害を与えるものではない、ということになる。
次の視点は、キャッシュフローの面からとらえる考え方である。
この観点に立つと、事情は大きく異なる。
というのは、子会社が高い収益をあげても、親会社は直接的には受け取り配当金の形でしか、子会社のキャッシュフローのフィードノtックを得ることができないからである。
周知の通り、従来わが国では、業績にかかわらず配当は最低水準に抑えられてきた。
公開子会社についても例外ではない。
かりに親会社が子会社の利益を全額配当で回収したいと、思っても、子会社の経営陣は子会社の一般株主の利益を考えれば、おいそれと親会社の要求に応じるわけにはいかない。
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